丸テーブルを考える

丸テーブルを考える

丸テーブルへのあこがれ

丸テーブルが欲しい。丸テーブルの周りに好き好きな椅子を並べ、食卓を囲むのに憧れる。四角だといかにもテーブルに並べられているような気がしてしまう。

理想はデンマークの巨匠デザイナー、カイクリスチャンセンがデザインしたエクステンションテーブル。もしくは北欧家具の影響を強く受けたイギリスビンテージG-Plan。いずれも現在では貴重なチーク製で、ビンテージでしか手に入らない。だが、安いものであれば15万程度で手に入る。これを高いとするか安いとするかは価値観次第だが、現行新品でこのサイズのチークテーブルはまず手に入らない。しかも探せばそれなりに入手することはでき、入手難易度は高くない。

問題なのは、これらはほぼ直径120 cm近くもあり、うちのような狭小賃貸アパートにはまず置けない。というか玄関を通らないだろう。しかもエクステンション(拡張)させたら部屋が埋まる。

我が家に無理なのは明白だが諦めきれない。ビンテージのチークテーブルはだめでも小さめの丸テーブルならどうだろうか。いろいろ調べると、「丸テーブルは場所をとる」なんて意見がある一方で、「意外と場所とらないからおすすめ」なんて意見もある。どっち。狭いスペースしか用意できない身としては死活問題。

実際どちらが正しいのだろうか。丸テーブルと四角テーブル、どちらが場所をとるのか真剣に考えてみよう。

四角テーブルの面積について

まず四角の一般的なテーブルについて、一人当たり最低限、横60 cm × 縦40 cm必要だと言われている。つまり2人だと60 cm × 80 cm、4人だと120 cm × 80 cm。この60 cm × 40 cmというサイズは学校などで使われいてる懐かしの学習机とほぼ同じサイズである。

4人分の四角いテーブル(120 cm × 80 cm)と同等な面積の丸テーブルを考えると、直径は111 cmである。なるほど冒頭の直径120 cmのビンテージテーブルたちは4人用だったのか。

と考えていたら、大手家具メーカーのサイトでは直径120 cmは6人用だと説明されている。すこし考え直したほうがよさそう。

最低限として言われいてる一人分60 cm × 40 cmを疑ってみる。教室のあの机のサイズではあるが、実際に食事(学校では給食)を食べるときはお盆に載っている。あのお盆のサイズは当然机より小さい。つまり一人分の食事に必要な面積は 60 cm × 40 cmもいらないと考えてよさそう。

ではなぜ 60 cm × 40 cmと言われているのか。 食事に必要な面積とは別の理由、例えば座る人の体の構造が考えられる。成人男性の肩幅平均45 cm、女性の平均は40 cm程度だそうだ。これに軽く脇を開いて手を動かすことを考えると隣り合う人同士の距離は60 cm程度は確かに必要そうだ。

もしくは人が座る椅子の幅からも考えられる(これもやはり人間の体の構造に合わせて設計されているものではあるが)。例えばダイニングチェアとして絶大な人気を誇るハンスウェグナーデザインのYチェアの幅は55 cm、それよりスマートな印象を持つアルネヤコブセンデザインのセブンチェアは幅52 cm。いずれにしても隣同士並べるならやはり60 cmは確保したいとなる。

縦40 cmはどうか。同様に体の構造から考えてみる。自然と手を伸ばす距離を考えるとひじから指先までの長さが基準になりそう。この長さは身長のおよそ1/4程度らしい。これより狭いと向かい合って食事をするとき、お互いの手が当たるし、逆に遠いと腰を浮かさないと物がとれない。これに相当する距離がおよそ40 cmということだろうか。少し無理やりな気がしないでもないけど。

つまり、一人分の食事面積(お皿を並べる面積)として60 cm × 40 cm必要という意味ではなく、隣との距離に60 cm、前方に40 cm必要という意味だと考えられる。

丸テーブルに必要な大きさ

丸テーブルになれば、隣と真横に並ぶことはなくなり、小さい面積でも自然に隣と距離が取れるようになると考えられる。だから丸テーブルに必要な最低限の面積を考え、後から隣同士が60 cm以上確保できているかを確認することにする。

改めて、一人分の食事に必要最低限な面積はどれくらいだろう。食事スタイルにもいろいろある。極端なこと言うと、大皿で分け合うならその大皿の面積、丼でしか食事をしなければ丼サイズ×人数分が必要な面積なんてことになる。いや丼を手に持てばテーブルはいらないか。

極端な場合は置いとくとして、ここでは一般的なトレーやランチョンマットのサイズが一人分の面積の基準に考える。市販のランチョンマットを調べると35 cm × 45 cm(=1575 cm2)が多いようである。この面積を一人分とすると一人用の丸テーブルの直径は45 cm。2人だと直径64 cm、3人だと直径78 cm。

この先直径80 cm以上になると考慮しないといけないのが、40 cmより先は手が届かないということ。例えば直径90 cmなら真ん中の直径10cmの丸部分は手が届かない。この辺考えて、2~6人の場合で丸テーブルと四角テーブルのサイズを比較する。

四角テーブルと丸テーブルの比較
四角テーブルと丸テーブルの比較(2)

丸テーブルはどの人数の場合でも隣との距離はしっかり60 cm確保できている。素晴らしい。四角だと横並びになるため距離を確保するため、必要以上に机の面積を必要としたが、丸テーブルでは真横ではなくなり、隣との距離は自然に取られ、テーブル自体の面積は小さくできる。これが世に言われる「丸テーブルは意外と面積をとらない」と言われる真相だろうか。

いやまだ考えないと行けないことがある。 椅子だ。椅子に座る、椅子を引く、椅子の後ろを人が通る。 そんなところまで考えた必要床面積を考える必要がある。次回はそこの考察。

補足

あくまでここで書いたのは食事のための最低限の面積から考えたこと。 鍋物をやるのにはコンロを置くためにも、人数プラス一人分の面積も欲しい。食事以外のことをするなら当然、それに必要な面積から考えるべき。

またダイニングテーブルの役割は、必要なお皿を置くためだけでなく、コミュニケーションの場でもあることを考慮する必要もある。建築家 宮脇檀の書籍「それでも建てたい家」の中では、日本人はリビングよりダイニングでコミュニケーションをとるという考察が述べられている。これが事実なら、無理にリビングにソファなどおかずに、その分ダイニングをゆとりのあるスペース確保するのもいい。つまり最低限面積なんて野暮なこと考えずに部屋の面積から考える設置可能最大面積なんて考えでもいい。

また足の配置も重要。直径120 cmが6人用と言っても冒頭のビンテージたちは4本足。 ここに6個の椅子を置くのは難しい。

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